全国の461施設が参加した同試験は、収縮期高血圧症の高齢者(70-84歳、平均76.1歳)3260人を対象に実施。「厳格降圧群」と「緩徐降圧群」に無作為に割り付け、それぞれ「140mmHg未満」と「140mmHg 以上150mmHg 未満」を降圧目標値として、ディオバンで治療した場合の心血管イベントの発症率を比較した。
それによると、両群共に血圧が良好にコントロールされ、厳格降圧群の収縮期血圧は平均で33mmHg低下した。心血管イベントの発症率は、両群共に約3%と低く、副作用で投与中止になった患者についても、厳格降圧群で1.9%、緩徐降圧群で1.2%と有意差はなかったという。
70歳以上の高齢者の降圧目標値をめぐっては、日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインが、150mmHgを中間目標値とした上で最終目標値を140mmHg未満と提唱しているが、これまでそれを裏付けるエビデンスが十分でなかったという。
ディオバンは、血圧の上昇に関与するアンジオテンシン2のタイプ1受容体(AT1)を選択的にブロックする薬剤(ARB)で、高血圧症の第1選択薬として世界約100か国で承認されている。日本では2000年に販売を開始し、昨年の売上高は1400億円(薬価ベース)だった。
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